こんにちはスカイアイジャパンの今井です。
DJI Gogglesを購入しました。仕事用と称して。ついにVRはドローンの世界にまで来ましたよ!!オフィシャルトレーラーで「現実で遊ぶゲームだ!!」と表現していますが、まさにその通りだと思います。PSVRに行かなかった自分を褒めてあげたい。
男子なら誰でも大好きドローンとVR。面白くないわけがありません。さてさて、そんなDJI Gogglesのレビューでございます。ちなみに気になるGogglesの機能やスペックは以下の通り
機能
- ドローンからの映像をリアルタイムで大画面で見る
- Gogglesを使ってドローンを操縦・制御する
友人やたまたま近くを歩いていた知らない人と映像をシェアしたり、Gogglesを通してドローンの動きやジンバル(カメラのこと)をコントロールすることができます。
スペック
- お値段:57000円前後
- 対応機種:DJI MavicPro,Phantom4シリーズ,Inspire2
- ディスプレイ解像度:3840✕1080(1920✕1080が2つ)
- 最大駆動時間:6時間
- HDMI対応、MicroUSB、MicroSDポート有り
- 重量:1kg(レンズ部、ヘッドバンド部込)
- リフレッシュレート:60Hz
こんな感じですか。
開封の儀
まさか自分が開封の儀という言葉を使うとは思ってもみませんでした・・・
箱ですが・・・結構デカイ。ティッシュ箱よりもでかい。奥行きもあるので持ち運びには一苦労しそうです。重さはそこまでないですね。本体が1kg程度なので。
スポッと外箱を外します。外箱の底に外れないようにシールが貼ってあるのでそれを剥がします。すると真っ黒の箱が・・・
御開帳。デーンと本体があります。持ってみると意外と軽い。490gだそうですが、そんなに重く感じない気がします。
本体の下にはストラップ(頭に取り付けるバンドの部分)が隠されていました。二重底ですね。そしてその中に
- ACアダプター
- MicroUSBケーブル
- HDMIケーブル
- 不親切なマニュアル
- ケーブルを束ねるクリップ
- 乾燥剤
が入ってます。
内容物は全部でこんな感じ。
セットアップ
いよいよセットアップです。びっくりするほど簡単だけど、最初は迷います。ストラップ(上下の向きに注意!)の先を本体の上部にブスッと挿すだけ。この時、はまるとカチッと音がします。
このストラップにある本体に挿す部分ですが、開封時は上をむいています(参考画像は下ろした状態)。上下に動きますが本体がささっていることが前提なので、けっこう硬く最初はボタンかなにか押してロックを外して動かすのか?と思ったぐらいです。
下手に動かして壊さないよう丁寧に動かしましょう。
結合。画面を見ないときはこんな感じではねあげて作業するわけですが、不自然な形で前方に重心が来るので長時間は首がけっこうキツくなります。
ヘッドバンド部にカウンターウェイト(ゴーグル本体とバランスが釣り合うよう重りをつけること)も考えましたが、1.5kgになるのでやめました。
各部機能紹介
DJI Goggles本体は下記の機能があります。
右側
- タッチパネル
- 電源ボタン
- バッテリーインジケーター
- スピーカー
左側
- HDMI Type-Dポート
- スピーカー
- イヤホンジャック
- MicroSDカードスロット
底部
- 瞳孔間距離調整ダイヤル
- 戻るボタン
- 機能ボタン
本体右側
タッチパネル
パッと見ただの格子状デザインに見えます。が、この部分はタッチパネルになっています。本体をのぞきながら画面上で操作を行うときにこれを使います
電源ボタン
DJIおなじみの1回押すとバッテリー残量の表示、2回目長押しすると電源オンです。
バッテリーインジケーター
電源ボタンを一度押すとバッテリーインジケーターが緑色に点灯し、gogglesのバッテリー状況を教えてくれます。光るバッテリーインジケーターの本数が多いほどバッテリーの残量が多いことを示しています。マニュアルはとても親切なので詳しくは書いてありませんが、通例だと下記の通りになっているはずです。Phantom4用バッテリーのバッテリーインジケーターの早見表ですが、おそらくgogglesも同じでしょう。
※LED1側に電源ボタンがあります
スピーカー
操作音などがでます。すごい!
本体左側
HDMI Type-Dポート
HDMI使って映像を鑑賞するためのポートです。こちらをプロポ(ドローンのコントローラー)につなげても映像が見えるだけで、ドローン本体の動きをコントロールすることはできません。
スピーカー
操作音などがでます。すごい!
イヤホンジャック
操作音などがヘッドホンを通して聞けます。すごい!
MicroSDカードスロット
DJI Gogglesのサポートする機首で撮影した画像・動画のみ見ることができます。そしてやたらとMicroSDが入れにくい。写真見るとわかると思いますが、フタの一部と干渉するんですよ。
放熱用通気孔
タッチパネルとデザインを似せてあります。寒い時はここで暖をとるといいでしょう。
底部
瞳孔間距離調整ダイヤル
画面の調整をするためのダイヤルです。
戻るボタン
画面上のメニューなど「戻る」ためのボタン
機能ボタン
画面上で「機能」を呼び出すときに使うボタンです。
戻るボタンと機能ボタンは装着時ちょうど右目の下あたりに来るように設計されています。タッチパネルに次いで使用頻度の高いボタンです。
ストラップ
個人的にストラップというよりヘッドバンドという方がしっくりきます。ストラップ上部には特に何もなく、底部(装着時に下になる方)に
- MicroUSBポート
- ヘッドバンド調整ダイヤル
があるだけです。
MicroUSBポート
DJI Gogglesの最大の特徴である
- ヘッドトラッキング
- 地形フォローモード
- アクティブトラックモード
などの機能をドローンで利用するにはこちらを使います。MavicProはGogglesと無線接続ができるのでここは必要ありませんが、Phantom4シリーズとInspire2はこの部分とプロポをUSBケーブルでつなぐことでドローンの動きを制御します。
ここ自体は充電にも使います。充電中は下の画像の様にMicroUSBポート近くのLEDがオレンジに点灯し、レンズのバッテリーインジケーターが緑色に点滅します。
ヘッドバンド調整ダイヤル
ここでヘッドバンドの大きさ、つまり頭のデカさによって大きさを調節します。
実際に使用してみる
これが一番、気になるところでしょう。個人的にヘッドトラッキング機能を楽しみにしていたのでそのあたりを重点的にレビュー。
映像
とにかくものすっごい綺麗。一昔前にハイビジョンで髪の毛一本一本を表現!みたいなキャッチセールスがありましたが、それに近い。葉っぱ1つ1つが見分けられ、この時期だとわっさーと生えてる草の一本一本を認識できます。
正直、こんな映像が目の前に広がってるというのは信じられません。特に日中で画面が見にくくなるということもないのでその恩恵も大きいでしょう。
Gogglesを通して撮影した画像。草の一本一本が区別できます。
ヘッドトラッキング
もうすごい!!これすごいわ。本当に。
なんかこう・・・逆に気持ち悪い。自分の頭の動きにあわせてドローンのジンバル(カメラのこと)が動くというのは面白いけど気持ち悪い(良い意味で)。
Phantom4シリーズはジンバルは上下には動くものの、左右には動きません。ですが、Gogglesでヘッドトラッキングを使用しているときは左右にも動きます!!
今までにない感覚なので、表現が難しいのですがとにかくすごい。「ここみたい」と思ったらそっちの方に顔を実際に動かすだけでジンバルがそちらに向いてくれます。しかも全く遅延もありません。ドローンが500mほど離れた距離でも遅延なく動いてくれます。
米軍のアパッチヘリコプターの射手は自分の視線と機銃がリンクするシステムを使っているのですが、まさにこんな感じなんでしょう。男のロマンです。まじで。思い切って画面にもレティクル(十字線)を表示させて射手の気分も味わってます。
・・・話がそれましたが、ドローンを飛ばしていておっなにこれ?と気になる景色があったらそちらに自分が顔を向ける
それだけで必要な映像が映し出され、録画・静止画が撮影できるのは本当にすごいとしかいいようがありません。めちゃくちゃおもしろい機能です。
DJI Gogglesの短所?
数日間ですが使用してみて幾つか気になった点があります
- 他人と映像をシェアするという難しさ
- 怪しい
- 没入感
- 重さ
- ヘッドトラッキング使用時の動画撮影は難しい
他人と映像をシェアするという難しさ
Gogglesは「スポッター(観測者)」と映像をシェアすることができますが、シェアしている時の映像の主導権が2通りあります。
- オペレーター(ドローンの操縦者)
- スポッター(操縦者以外の人)
1.映像の主導権をオペレーターが握っている場合
スポッターはgogglesを通してオペレーターの操縦する映像を見ることになります。スポッターはここが見たいと思っても操作できません。
この場合「酔う」という可能性が出てきます。
他人が撮ったハンディビデオを見てると気持ち悪くなった、という経験は誰でもあると思いますがGogglesにも同じことがいえます。あくまでオペレーターが「みたい」映像を目の前の大画面で見ているわけですから、オペレーターの腕前によってはスポッターは「酔って」しまう可能性があります。
実際自分も少し酔ってしまうことが何回かありました(笑)
2.映像の主導権をスポッターが握っている場合
オペレーターは操作に困る可能性が出てきます。
スポッターの見たい映像=オペレーターが操縦する際に必要な映像
というわけではないというわけです。車の運転でも助手席の人は景色を楽しめますが、ドライバーは道路を見ていないといけないと同じですね。これはDJI Gogglesのせいではないですが、コマーシャルほどうまくは行かなさそうです。
こうは中々うまくいかないということですね(笑)
オペレーターはオペレーターの、Gogglesは Gogglesの専用のカメラがあると良いと思います。が、これまた難しい話かなと。
怪しい
安全面でスポッターを配置しろというのはDJIからの推奨条件ですが、個人的には見た目も怪しいからスポッターはいた方がいいと思います。
1人でGogglesをつけてドローンを飛ばす姿は確実に不審者です。隣にスポッターがいればそのあたりの怪しい雰囲気は軽減される・・・はず。
没入感
Gogglesの没入感はすごいものですが、これを使ってドローンの操縦を最初から最後まで行うのは危ないですね。
その場の雰囲気がわからなくなってしまうので・・・
重さと固定法
他のVRを使ったことがないのでわかりませんが、あまりヘッドバンドの固定法はいけてない気がします。けっこうスルリと頭から抜けるというか、ずれます。本体をはねあげたまま作業するのは難しいんじゃないかと思います。
室内用ならともかく野外用ですからね。このあたりはもう少しどうにかならんもんかなと思います。
具体的にはこれをつけたままドローンのバッテリーの交換という作業は難しいんじゃないかな。一旦DJI Gogglesはどこかに置かないとだめだと思います。
重さはこれはもうしょうがないですが、やっぱり長時間はキツいですね(笑)。
ヘッドトラッキング使用時の動画撮影は難しい
技術的に難しいのではなく、映像作品としては微妙になります。
ヘッドトラッキングの精度の高さが逆にアダになります。高精度なので、意図しない頭の動きがドローンのジンバルに伝わるんですよね。録画した映像をみると揺れてる(笑)。
何気ない頭の動きがダイレクトにドローンのジンバルに伝わるので、録画している時はけっこう集中が必要かです。また、ジンバルそのものの動きもスーッという感じから、ズズズッという動きになるのも気になる点です。
総評
その昔、飛行機に乗っている時にサービスの一貫で飛行機から見た機外の映像を放映していたことがありました。すごく迫力のある映像で機内の人が見入っていたのを思い出します。それが、手軽に自分の手で自分の好きなところで再現できるというのはロマン以外の何者でもないでしょう。
幾つか気になる点を最後にあげましたが、それらを補ってもあまりある恩恵があるのがGogglesです。綺麗な映像を大画面で見る気持ちよさ、あたかも自分が飛んでいる様な感覚、ヘッドトラッキング機能など今までにない楽しさを体感できます。
お財布に余裕のある人も、ない人もぜひ経験してほしいですね。
コメントをお書きください